待てない・我慢できない子への関わり方。「待つ力」を日常で育てるコツ
すぐに『やりたい』『ほしい』と騒ぐ、待てずに癇癪を起こす。2〜5歳の待つ力・我慢する力の発達と、日常で育てる工夫、避けたい対応を解説します。

「スーパーで、お菓子をねだって泣く」「少しも待てずに、すぐ『まだ?』と言う」。待てない、我慢できない姿に、「このままで大丈夫?」と、不安になる保護者も多いです。この記事では、待つ力の発達と、日常で育てる関わり方を紹介します。
待つ力・我慢する力とは
「やりたい」「ほしい」という気持ちを、一時的に抑えて、状況に合わせて行動する力です。心理学では、「自己調整」「自己抑制」と呼ばれ、非認知能力のひとつとされています。
この力は、次のような場面で、役立ちます。
- 友だちと順番を守って遊ぶ
- 話を最後まで聞く
- 小学校の授業で、座って待つ
- 気持ちが高ぶったときに、落ち着く
年齢による発達の目安
1〜2歳ごろ
欲しいと思ったら、すぐに手を伸ばします。待つ力は、まだほとんど育っていません。
3歳ごろ
少しの間なら、待てるようになってきます。「あとでね」「〇〇してからね」という言葉を、理解しはじめます。
4〜5歳ごろ
見通しを持って、待てることが増えます。「あと〇回寝たら」「あと〇分」という、時間の感覚も、育ち始めます。
個人差が大きく、同じ年齢でも、待てる時間は違います。
待てないときの背景
- 時間の感覚が、まだ育っていない(「あと少し」が分からない)
- 気持ちを抑える脳の働き(前頭前野)が、発達の途中にある
- 眠い、おなかがすいた、疲れたなど、体の状態が整っていない
- 退屈で、何をして待てばいいか分からない
- 待った経験が少なく、「待てば、いいことがある」と、実感できていない
日常で育てる工夫
待つ時間を、見える形にする
- 砂時計やタイマーで、残りの時間を示す
- 「長い針が、ここに来たらね」と、時計に印をつける
- 「あと3回、数えたらね」と、数字を使う
見通しを伝える
「ごはんを食べたら、公園に行こうね」「お風呂のあとに、絵本を読もうね」と、先の予定を、あらかじめ伝えます。
待つ間の過ごし方を、一緒に考える
- 「待っている間に、しりとりをしよう」「歌を歌おうか」と、気をそらせる
- 外出先では、小さな絵本や、シールブックなどを持っていく
待てたときに、認める
「待てたね、えらいね」「ちゃんと待っていてくれて、ありがとう」と、具体的に認めます。待てたことが、うれしい経験として、残ります。
約束を守る
「あとでね」と言ったときは、必ず、約束を果たします。「待てば、必ず叶う」という経験が、待つ力を支えます。
遊びの中で、練習する
- 「だるまさんが転んだ」
- 「ストップ&ゴー」遊び
- 順番に積み木を積む、順番にカードを引くゲーム
- 簡単な料理(ホットケーキが焼けるのを待つなど)
欲しがるときの対応
スーパーで、お菓子をねだられたら
- 事前に、「今日は、お菓子は買わないよ」「1つだけ選んでいいよ」と、ルールを決めておく
- ねだっても、一貫して同じ対応をする(泣いたら買う、を繰り返さない)
- 気持ちは受け止める(「食べたかったんだね」)
- 泣いても、落ち着くまで、そばで見守る
決まりを、家族で統一する
親によって、対応が違うと、子どもは混乱します。家族で、ルールを共有しましょう。
避けたい対応
- 「待てない子ね」「我慢しなさい」と、人格を否定したり、強制したりする
- 泣き叫ぶと、根負けして、要求を叶える
- 長時間、何もせずに待たせる(年齢に合わない)
- 他の子と比べる
相談の目安
- 5〜6歳を過ぎても、極端に待てず、集団生活に支障がある
- 落ち着きがなく、危険な行動が多い
- 他の発達の心配(言葉、注意の持続など)もある
園の先生や、保健センター、小児科に、相談してみましょう。
よくある場面と声かけの例
「早くおやつ食べたい」と、泣き出した場合の例です。
「おやつ、食べたいんだね」と気持ちを受け止めます。「長い針が、ここに来たら、食べようね。それまで、一緒に絵本を読もうか」と、見通しと、待つ間の過ごし方を伝えます。
まとめ
待つ力は、日々の、小さな経験を積み重ねて、育っていきます。見通しを伝え、待てたことを認めながら、少しずつ、練習していきましょう。
参考にした情報
本記事は一般的な情報提供を目的としています。お子さまの発達について心配なことがあれば、小児科や自治体の相談窓口にご相談ください。
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