「ごめんね」が言えない子へ。謝らせるより先にできる、2〜5歳の声かけと対応
友だちを押したのに謝らない、「ごめんなさい」を強要すると黙り込む。2〜5歳が謝れない理由と、無理に言わせずに気持ちを育てる声かけ、親が見せるお手本、相談の目安を解説します。

「お友だちを押したのに、知らん顔」「『ごめんなさいは?』と言うと、黙って下を向く」。謝れない姿を見ると、親は焦ります。この記事では、2〜5歳の子が謝れない理由と、無理に言わせずに気持ちを育てる関わり方を紹介します。
謝れないのには、理由がある
謝るには、実はいくつもの力が必要です。
- 自分の行動が、相手に何を起こしたかを理解する
- 相手の痛みや悲しさを想像する
- 自分の気持ち(悔しい、恥ずかしい)を整理する
- それを言葉にして伝える
2〜3歳は、「相手の気持ち」を想像する力がまだ育ちはじめの段階です。4〜5歳でも、恥ずかしさや「怒られる怖さ」で口が動かなくなる子は多くいます。謝れないことは、性格の問題や反抗とは限りません。
強要すると起こりやすいこと
「ごめんなさいって言うまで、ここにいなさい」と迫ると、次のようなことが起こりやすくなります。
- 気持ちがないまま、早口で「ごめん」と言って終わらせる
- 恥ずかしさや反発が強まり、かえって口をつぐむ
- 「謝る=怒られる嫌なこと」と結びついてしまう
形だけの言葉が身についても、相手を思う気持ちは育ちにくくなります。
家庭でできる声かけの順番
1. まず、気持ちを落ち着ける
興奮しているときは、話が入りません。「いったん深呼吸しようか」と、少し離れて気持ちが落ち着くのを待ちます。
2. 起きたことを、短く言葉にする
「〇〇ちゃんを押したら、転んで泣いているね」と、事実を責めずに伝えます。「どうして押したの!」と理由を問い詰めるより、状況を見せるほうが伝わります。
3. 子どもの気持ちを聞く
おもちゃを取られて悔しかったのかもしれません。「貸してほしかったのかな」と代弁すると、「うん」と話し出す子もいます。気持ちを分かってもらえると、相手のことを考える余裕が生まれます。
4. どうしたいかを聞く
「〇〇ちゃん、まだ泣いてるね。どうしたい?」と聞きます。「ごめんね」が出ればよいですし、「大丈夫?と聞く」「そばにいる」「絵本を貸してあげる」でも、思いやりの行動です。
親が見せるお手本
子どもは、大人の姿をよく見ています。
- 約束の時間に遅れたときに、「待たせてごめんね」と子どもに言う
- 大きな声を出してしまったときに、「怒りすぎちゃった。ごめんね」と伝える
- 言ったあとに、許してもらえた様子を見せる
親が謝る姿を見せると、「謝っても大丈夫」「謝ると仲直りできる」という経験になります。
やってしまいがちな対応
- 人前で「ほら、謝りなさい!」と強く言う(恥ずかしさが勝ちやすい)
- 「ごめんなさいが言えない子は、悪い子」と人格を責める
- 子どもの代わりに親が毎回すべて謝り、子ども自身は何も考えない
親が先に相手へ謝ること自体は、場面によって必要です。そのうえで、子どもとは落ち着いてから改めて話しましょう。
年齢別の目安
| 年齢 | よくある姿 | 関わりのポイント |
|---|---|---|
| 2歳 | 叩いても、自分のせいと分からない | 「痛いね」と相手の様子を伝える |
| 3歳 | 状況は分かるが、言葉にならない | 気持ちを代弁し、行動で示す方法も認める |
| 4〜5歳 | 分かっていても、恥ずかしくて言えない | 後で2人のときに話す。自分から言えたら認める |
個人差が大きいため、あくまで目安として考えてください。
相談の目安
- 叩く・噛むなどが頻繁で、園や家庭で毎日のように困っている
- 相手が痛がっていても、まったく関心を示さない状態が続く
- 言葉や、人とのやりとりの面で、ほかにも気になることがある
保育士、小児科、自治体の子育て相談窓口に相談してください。かんしゃくや手が出る場面には、噛む・叩くときの対応も参考になります。
まとめ
謝れないのは、相手の気持ちの想像や、自分の感情の整理が、まだ育っている途中だからです。言わせることより、気持ちを聞く、どうしたいかを一緒に考える、という順番で関わってみてください。親が謝る姿が、いちばんのお手本になります。
参考にした情報
本記事は一般的な情報提供を目的としています。お子さまの発達について心配なことがあれば、小児科や自治体の相談窓口にご相談ください。
よくある質問
- Q. 「ごめんなさいは?」と言わせるのは、やめたほうがよいですか?
- 言わせること自体が悪いわけではありません。ただ、気持ちが伴わないまま言わせ続けると、「言えば終わり」と学びやすくなります。まずは相手の様子を伝えて状況を理解させ、その後に「どうしたい?」と聞いて、本人から出る言葉を待つほうが、気持ちとつながりやすいとされています。
- Q. 謝る場面で、相手の親に気まずい思いをさせたくありません。どうすればよいですか?
- 子どもの代わりに、親が先に「ごめんなさいね、痛かったよね」と相手に伝えて構いません。子どもには、その場では無理に言わせず、落ち着いてから「さっきのこと、どう思った?」と話します。後日、会ったときに自分から声をかけられれば十分です。
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