子どもが噛む・叩く。1〜3歳の噛みつきの理由と、その場の止め方・園での対応
友だちを噛んでしまう、すぐ手が出る。1〜3歳に多い噛みつき・叩く行動の理由、その場での止め方、予防の工夫、園でトラブルになったときの考え方を解説します。
「友だちを噛んで、相手の親御さんに謝った」「すぐに手が出てしまう」。1〜3歳の噛みつきや叩く行動は、多くの家庭や園で起こり、保護者にとって大きな悩みです。この記事では、理由と、その場の対応、予防の工夫を紹介します。
噛む・叩くのは、成長の途中
1〜3歳ごろは、言葉で気持ちを伝える力が、まだ十分に育っていない時期です。その代わりに、噛む、叩くという行動で、気持ちを表してしまうことがあります。
主な理由は次のとおりです。
- 言葉がまだ未熟で、気持ちをうまく伝えられない(「貸して」「いや」が言えない)
- おもちゃや場所を取られて、悔しい、怒りの気持ちが出る
- 眠い、おなかがすいた、疲れたなど、体の状態が崩れている
- 興味、好奇心から、噛んだり叩いたりして、反応を試している
- 歯が生える時期で、口の中がむずむずする(1歳前後)
- 甘えたい、構ってほしい気持ち
多くの場合、成長して言葉が増えると、少しずつ落ち着いていきます。
その場の対応
1. すぐに止めて、安全を確保する
噛む、叩くときは、すぐに間に入って、体をそっと止めます。噛まれた子のケアを、まず優先します。
2. 短い言葉で、はっきり伝える
「噛んだら痛いよ」「叩くのはだめだよ」と、低めの落ち着いた声で、短く伝えます。長い説教は、子どもには伝わりません。
3. 気持ちを代弁する
「おもちゃを取られて、いやだったんだね」と、気持ちを言葉にして伝えます。気持ちを分かってもらえることで、落ち着きやすくなります。
4. 代わりの行動を教える
「いやなときは、『いや』って言おうね」「貸してほしいときは、『かして』って言おうね」と、言葉での伝え方を教えます。
避けたい対応
- 噛み返して、痛さを教える(暴力を学ぶことになります)
- 大声で怒鳴る、叩いて叱る
- 他の人の前で、強く叱りつける
- 「噛む子」「乱暴な子」とレッテルを貼る
予防の工夫
起きやすい場面を知る
噛む・叩くが起きやすい場面(おもちゃの取り合い、混んでいる、眠い時間帯など)を、把握しておきます。
環境を整える
- 同じおもちゃを複数用意する
- 遊ぶスペースを広く確保する
- 人が混雑する時間帯を避ける
言葉の練習をする
- 絵本や遊びの中で、「かして」「どうぞ」「いや」など、よく使う言葉を練習する
- 気持ちを表す言葉を、日頃から増やしていく
体を使った遊びで発散する
- 走る、ジャンプする、ボール遊びなど、体を動かす時間を増やす
- 噛みたい欲求には、歯固めや、食べ物(りんごなど)を代わりに噛ませる
十分に甘えさせる
愛情を感じられる時間を、日々しっかり作ります。抱っこや、スキンシップが、気持ちの安定につながります。
園でトラブルになったとき
園で、友だちを噛んでしまった、噛まれてしまったという連絡を受けることがあります。
- 子ども同士のトラブルは、集団生活で、よく起こることを知っておく
- 相手の保護者に、誠実に謝罪し、連絡を取り合う(園の対応方針に従う)
- 園の先生と、様子を共有し、一貫した対応を取る
- 噛まれた側の親も、「成長の過程で起こりうること」と、ある程度理解しておく
園によっては、噛みつきがあった場合の対応方針が決まっています。入園時の資料や、先生に確認しておきましょう。
相談の目安
- 4歳を過ぎても、頻繁に噛む、叩くが続く
- 言葉の遅れや、発達の心配がほかにもある
- 自分を傷つける行動(頭を打ちつけるなど)もある
- 親が追い詰められ、育児がつらい
園の先生、保健センター、小児科、子育て相談窓口などで相談できます。
よくある場面と声かけの例
おもちゃを取られて、友だちを叩いてしまった場合の例です。
「叩いたら、痛いよ。だめだよ」と、まず止めます。「おもちゃ、取られていやだったね。『かえして』って、言ってみようか」と、気持ちを代弁し、言葉での伝え方を示します。
まとめ
噛む・叩くは、言葉で気持ちを伝えられない時期の、自然な行動です。止めて、短く伝え、気持ちを代弁することを繰り返すうちに、少しずつ言葉で伝えられるようになります。親も一人で抱え込まず、園や専門家と一緒に向き合っていきましょう。
参考にした情報
- 保育所保育指針(厚生労働省)
- 保育所保育指針解説
本記事は一般的な情報提供を目的としています。お子さまの発達について心配なことがあれば、小児科や自治体の相談窓口にご相談ください。
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