1歳のバイリンガル教育:母語の土台づくりと、2言語での語りかけ方
1歳のバイリンガル教育で大切なのは、母語の土台と、人との温かなやりとり。2言語で語りかけるコツ、絵本や歌の使い方、言葉の遅れが心配なときの考え方、体験談を解説します。

「英語は早く始めたほうがいい?」「2つの言語で話しかけると、言葉が遅れない?」。1歳は、初めての言葉が出始める時期で、バイリンガル教育をいつから、どう始めるか悩む保護者が増えます。この記事では、1歳のバイリンガル教育で大切にしたいことを紹介します。
1歳の言葉の発達の目安
- 「まんま」「ママ」など、意味のある言葉(初語)が出始める(1歳前後が多い)
- 大人の言葉を理解し、指差しで答えられるようになる
- 1歳半ごろから、言葉の数が増えていく子が多い
言葉の出るペースには、もともと個人差があります。
1歳のバイリンガル教育で大切な3つのこと
1. 母語(家庭で一番使う言葉)の土台を優先する
言葉の発達の土台は、保護者との豊かなやりとりで育ちます。母語でたくさん話しかけ、気持ちを通わせることが、2つ目の言語を身につけるときにも役立つとされています。無理に英語に置きかえる必要はありません。
2. 「人とのやりとり」の中で言葉に触れさせる
言葉は、目を見て、表情や声のトーンといっしょに、やりとりする中で身につきます。1歳の子には、次のような関わりが効果的です。
- 「ブーブーだね」「おいしいね」と、子どもが見ているものに言葉を添える
- 絵本を読みながら、指差しや声かけをする
- 歌や手遊びを、動作といっしょに楽しむ
3. 言語のルールを、家庭でゆるく決める
2言語で育てるときによく使われる考え方に、「1人1言語(One Parent, One Language)」があります。たとえば、母親は日本語、父親は英語、といった形で、人ごとに話す言語を決めておく方法です。ただし、家庭の事情によって形はさまざまで、「正解」は一つではありません。
- 人で分ける(母は日本語、父は英語)
- 時間・場面で分ける(平日は日本語、週末は英語)
- 場所で分ける(家では日本語、外では英語)
続けやすい形を選ぶことが大切です。
2言語で育てると、言葉は遅れる?
2つの言語で育つ子どもは、言葉が遅れるのでは、と心配されることがあります。バイリンガルの子どもが、2つの言語を合わせた語彙数では、1つの言語で育つ子どもと同程度とされています。1つ1つの言語を別々に見ると、単語数が少なく見えることがありますが、これは自然なことです。
1歳におすすめのかかわり方
- 英語の絵本や歌は、保護者が一緒に楽しむ形で取り入れる
- 動画やアプリだけに頼らず、人とのやりとりを大切にする(1歳半までは、スクリーンの使用は避ける、という小児科の指針もある)
- 毎日短時間でも、同じ言語で話しかける時間をつくる
- 間違いや混ざりを、気にしない
体験談:よくあるエピソード
複数のご家庭でよく聞かれる体験をもとに構成した、一例です。
英語が得意な夫が、毎日お風呂の時間に英語の歌と声かけをするようにしました。1歳の子は、最初は反応が薄かったのですが、半年ほどすると、英語の歌の最後のフレーズを、まねして口ずさむように。日本語も順調に増えていて、「2つの言語を聞いて育つこと」自体が、特別な負担ではないことを実感しました。
こんなときは、相談を
- 1歳半を過ぎても、意味のある言葉がまったく出ない
- 名前を呼んでも反応しない、視線が合いにくい
- 指差しや、身振りでのやりとりが、ほとんど見られない
言葉の遅れは、2言語で育てていることが原因とは限りません。1歳6か月児健診や、小児科で、気になることを相談しましょう。
まとめ
1歳のバイリンガル教育は、母語を土台に、人とのやりとりの中で、2つの言語にゆるやかに触れさせることが大切です。焦らず、親子で言葉を楽しむ時間を増やしていきましょう。
参考にした情報
- 1歳6か月児健康診査(各自治体)
- Bilingualism and language development in young children(学術研究のレビュー)
本記事は一般的な情報提供を目的としています。言葉の発達について心配なことがあれば、小児科や乳幼児健診でご相談ください。
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