日本語(ことば)を育てる8つのレベル。年齢別に、必要なもの・準備・やること・身につく力
日本語(ことば)の力を、レベル1〜8まで一覧で解説。聞く・話す・読む・書くの各段階で、対象年齢の目安、必要なもの・準備、親子でできるやること、身につく力をまとめました。

「なかなか言葉が出ない」「ひらがなはいつから?」。ことばの育ちは、お子さまによってペースがさまざまです。ParentCoachの「日本語」では、この力を8つのレベルに分けて、聞く・話す・読む・書くを段階的に育てていきます。この記事では、レベルごとの対象年齢の目安、必要なものと準備、どんなことをすればよいか、そして身につく力を一覧で紹介します。
ことばは、どう育つ?
ことばの力は、次のような順番で育っていきます。どの段階も、毎日のやり取りが土台になります。
- 聞く(理解する):話し出す前に、たくさんの言葉を聞いて、意味を理解する時期があります
- 伝える(話す):指差しや片言でも、伝えたい気持ちを受け止めて返すことで、話す意欲が育ちます
- つなぐ(文にする):単語から、二語文・三語文、そして会話へと広がっていきます
- 読む・書く:文字は「楽しい」の延長で出会うのが理想です。無理に教え込まなくても大丈夫です
年齢はあくまで目安です
各レベルに示す年齢は、「未経験のお子さまに向いている時期」の目安で、これより早い・遅いからといって問題はありません。分かりやすいよう、1歳未満は月齢、1歳以上は0.5歳(半年)刻みの概算で表示しています。また、レベルは年齢に関係なく選べます。お子さまの興味に合うレベルから始めてみてください。
8つのレベル早見表
| レベル | テーマ | 対象年齢の目安 | 身につく中心の力 |
|---|---|---|---|
| 1 | 言葉に親しむ | 0〜1.5歳 | 聞く力、言葉の音やリズムへの感覚 |
| 2 | 言葉で表現する | 1〜2.5歳 | 語彙、伝えたい気持ち |
| 3 | 文でつなぐ | 2〜3.5歳 | 文で話す力、助詞の使い方 |
| 4 | 文字とお話 | 3〜4.5歳 | ひらがなを読む力、お話の内容を理解する力 |
| 5 | 読んで書く | 4〜5.5歳 | 音読、文字を書く力 |
| 6 | 言葉で遊び、説明する | 4.5〜6歳 | 言葉遊び、順序立てて説明する力 |
| 7 | 読み書きを広げる | 5〜6.5歳 | 読んで理解する力、短い文を書く力 |
| 8 | 自分の言葉で伝える | 5.5〜7歳 | 書いて伝える力、発表する力 |
各レベルの必要なもの・準備 早見表
| レベル | 必要なもの | 事前の準備 |
|---|---|---|
| 1 | 音やリズムが楽しい絵本、わらべうた・手遊び歌、身近な物(コップ・ボール・くつ) | 落ち着いて読み聞かせできる時間と場所を決める(寝る前など) |
| 2 | 身近な物の絵本・図鑑、絵カードや写真、おもちゃ | 絵本を子どもの手が届く場所に並べる |
| 3 | ひらがな表(ポスター)、同じ言い回しが繰り返される絵本、カレンダー、おままごとセット | 生活の中で文字が目に入る場所に、ひらがな表を貼る |
| 4 | ひらがなカード・ひらがな絵本、看板やお菓子の袋など、身近な文字、お話の絵本、ぬいぐるみ | 散歩や買い物で、読める文字を探す時間をつくる |
| 5 | 鉛筆(太め)・クレヨン、ノートやひらがなドリル、カタカナ表、短い文の絵本 | 机といすの高さを調整し、正しい姿勢で書ける環境を整える |
| 6 | なぞなぞ本・ことわざカルタ、詩や童謡の本、順序が分かる4コマの絵、しりとりカード | 遊びは5〜10分の短い時間で区切り、楽しい気持ちで終わる |
| 7 | 児童書・読み物、子ども向けの図鑑・辞典、日記帳、簡単な漢字カード | 図鑑を取りやすい棚に置き、読書の時間帯を決める |
| 8 | 日記帳・便せん・はがき、本(いろいろなジャンル)、発表用の紙、家族の観客 | 発表の機会(家族の食卓、おじいちゃん・おばあちゃんへの電話など)をつくる |
レベル1:言葉に親しむ(0〜1.5歳ごろ)
絵本や語りかけを通して、言葉の音やリズムに親しむ段階です。
取り組むスキル:言葉を聞いて楽しむ/簡単な言葉を使う/言葉遊びうたを楽しむ/簡単な指示を理解する/音まねを楽しむ
必要なもの・準備
- 音やリズムが楽しい絵本
- わらべうた・手遊び歌
- 身近な物(コップ・ボール・くつ)
- 準備:落ち着いて読み聞かせできる時間と場所を決める(寝る前など)
やること
- 毎日1〜2冊、同じ絵本を繰り返し読む
- 「ブーブーだね」「ちょうだい」と、短い言葉で語りかける
- 「おいで」「ちょうだい」など、簡単な指示を出して動いてもらう
- 動物や乗り物の音をまねして遊ぶ
身につく力:聞く力、言葉の音やリズムへの感覚、簡単な指示の理解
レベル2:言葉で表現する(1〜2.5歳ごろ)
自分の考えや気持ちを、言葉を使って相手に伝える段階です。
取り組むスキル:お話を作る/語彙を広げる/質問して答える/絵や物を説明する/気持ちを表す言葉を使う
必要なもの・準備
- 身近な物の絵本・図鑑
- 絵カードや写真
- おもちゃ
- 準備:絵本を子どもの手が届く場所に並べる
やること
- 「これはなに?」と聞き、答えを楽しむ
- 「うれしいね」「かなしいね」と、気持ちを言葉にして代弁する
- 絵を見ながら、一緒に短いお話を作る
- 物の名前を、指差しに合わせて言葉で返す
身につく力:語彙、伝えたい気持ち、質問と答えのやり取り、気持ちを表す言葉
レベル3:文でつなぐ(2〜3.5歳ごろ)
言葉をつなげて、文で話せるようになる段階です。
取り組むスキル:文で話す/文字に興味を持つ/順番に会話する/助詞を使って話す/昨日・今日・明日を話す
必要なもの・準備
- ひらがな表(ポスター)
- 同じ言い回しが繰り返される絵本
- カレンダー
- おままごとセット
- 準備:生活の中で文字が目に入る場所に、ひらがな表を貼る
やること
- 「りんごをたべる」と文で話すよう、言い直しを促す
- 順番に話すキャッチボール会話を楽しむ
- 「昨日は何をした?」「明日は何をする?」と聞く
- 自分の名前の文字を、一緒に探す
身につく力:文で話す力、助詞の使い方、昨日・今日・明日の言葉、会話の順番
レベル4:文字とお話(3〜4.5歳ごろ)
ひらがなを読み、お話の内容を理解する段階です。
取り組むスキル:ひらがなを読む/お話の内容を理解する/絵本について話す/身の回りの文字を読む/お話を再現する
必要なもの・準備
- ひらがなカード・ひらがな絵本
- 看板やお菓子の袋など、身近な文字
- お話の絵本
- ぬいぐるみ
- 準備:散歩や買い物で、読める文字を探す時間をつくる
やること
- 身の回りのひらがなを見つけて読む
- 絵本を読んだあと、「誰が出てきた?」「どうなった?」と聞く
- ぬいぐるみを相手に、お話を再現する
- 絵本の好きな場面を、自分の言葉で話す
身につく力:ひらがなを読む力、お話の内容を理解する力、覚えて再現する力、表現力
レベル5:読んで書く(4〜5.5歳ごろ)
短い文を音読し、文字を書き始める段階です。
取り組むスキル:音読する/文字を書く/カタカナに親しむ/音を聞いて文字にする/鉛筆・クレヨンで書く/伸ばす音・つまる音を読み書く
必要なもの・準備
- 鉛筆(太め)・クレヨン
- ノートやひらがなドリル
- カタカナ表
- 短い文の絵本
- 準備:机といすの高さを調整し、正しい姿勢で書ける環境を整える
やること
- 短い文を、声に出して読む
- 自分の名前や好きな言葉を書く
- しりとりで、音を聞き分ける
- 「がっこう」「ぼうし」など、伸ばす音・つまる音を読み書きする
身につく力:音読、文字を書く力、音と文字の対応、鉛筆の使い方
レベル6:言葉で遊び、説明する(4.5〜6歳ごろ)
言葉遊びを楽しみ、順序立てて説明できる段階です。
取り組むスキル:言葉遊びを楽しむ/順序立てて説明する/詩や言葉のリズムを楽しむ/丁寧な言葉づかいをする/なぞなぞ・ことわざを楽しむ/聞いて内容をつかむ
必要なもの・準備
- なぞなぞ本・ことわざカルタ
- 詩や童謡の本
- 順序が分かる4コマの絵
- しりとりカード
- 準備:遊びは5〜10分の短い時間で区切り、楽しい気持ちで終わる
やること
- しりとりやなぞなぞで、言葉遊びを楽しむ
- 「まず・つぎ・さいごに」で、出来事を順に説明する
- 「です・ます」で、丁寧に話す場面をつくる
- 話を聞いたあと、内容についてクイズを出し合う
身につく力:言葉遊び、順序立てて説明する力、丁寧な言葉づかい、聞いて内容をつかむ力
レベル7:読み書きを広げる(5〜6.5歳ごろ)
本を読み進め、短い文を書けるようになる段階です。
取り組むスキル:本を読み進める/短い文を書く/簡単な漢字に親しむ/読んだ内容を理解する/図鑑・辞典で調べる/お話を書く
必要なもの・準備
- 児童書・読み物
- 子ども向けの図鑑・辞典
- 日記帳
- 簡単な漢字カード
- 準備:図鑑を取りやすい棚に置き、読書の時間帯を決める
やること
- 毎日少しずつ、本を読み進める
- 1日1文の日記を書く
- 「山」「川」「日」など、身近な漢字に親しむ
- 気になったことを図鑑で調べる
身につく力:読んで理解する力、短い文を書く力、調べる習慣、漢字への親しみ
レベル8:自分の言葉で伝える(5.5〜7歳ごろ)
考えや体験を、文章や発表で人に伝える段階です。

取り組むスキル:日記や手紙を書く/みんなの前で発表する/読んだ本を紹介する/話し合う/いろいろな本に親しむ
必要なもの・準備
- 日記帳・便せん・はがき
- 本(いろいろなジャンル)
- 発表用の紙
- 家族の観客
- 準備:発表の機会(家族の食卓、おじいちゃん・おばあちゃんへの電話など)をつくる
やること
- 日記や、家族へのお手紙を書く
- 家族の前で、体験を発表する
- 読んだ本を、自分の言葉で紹介する
- 「どう思う?」と、家族で話し合う
身につく力:書いて伝える力、発表する力、聞き手を意識した話し方、話し合う力
関わり方のコツ
どのレベルでも共通する、親の関わり方のポイントは次のとおりです。
- 言い間違いは、責めずに正しい形で返す:「ブーブ、きた!」→「そうだね、車が来たね」
- 読み聞かせは、終わらせるより楽しむ:途中で気になる絵に寄り道しても大丈夫です
- 他の子と比べない:ことばの育ちは、時期にも個人差が大きいものです
ParentCoachでは、各スキルの達成の様子に合わせて、次に取り組むアクティビティを提案します。
安全に楽しむための注意点
- 映像との付き合い方:日本小児科医会は、2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えることを提言しています。視聴するときは、時間を決め、親子で一緒に見ましょう
- 紙・鉛筆:低年齢のうちは、絵本の角や鉛筆の先を口に入れないよう見守ってください
まとめ
ことばの力は、聞く、話す、読む、書くと、少しずつ広がっていきます。特別な教材はいりません。毎日の語りかけと絵本の時間が、いちばんの教材です。お子さまの年齢に合わせて、今日できることを1つだけ試してみてください。
参考にした情報
本記事は一般的な情報提供を目的としています。お子さまの年齢や様子に合わせ、必ず大人が付き添って取り組んでください。