1歳児に身につけてほしい10の力。歩く・指差す・まねる、この1年で育つこと
1歳前後の子どもに育ってほしい力を10個に整理。歩く力、手先の力、指差し、言葉の理解、模倣、食べる力、愛着、意思表示、探索心まで、1歳半健診の視点や発達の目安と、家庭でできる関わり方を紹介します。

1歳は、赤ちゃんから「小さな人」へと変わっていく、変化の大きい1年です。歩き始め、言葉の芽が出て、まねっこが大好きになります。この記事では、1歳前後の時期に育ってほしい力を10個に整理し、家庭でできる関わり方と一緒に紹介します。
先にお伝えしたいこと:これは「目安」です
ここで挙げる力は、できなければいけないチェックリストではありません。1歳台は発達のペースの個人差がとても大きい時期です。1歳6か月児健康診査でも、歩行、指差し、意味のある言葉、積み木などの様子を見ますが、すべての項目を全員がこなせる必要はないとされています。
「うちの子はまだ」と焦るより、「今どのあたりを育てている時期かな」と見守る手がかりにしてください。気になる点があれば、後半で紹介する相談の目安を参考にしてみてください。
1歳児に身につけてほしい10の力
1. 体を動かして移動する力
つかまり立ち、伝い歩き、ひとり歩きへと進んでいく時期です。歩き始める時期には個人差があり、1歳半ごろまでに歩くようになる子が多いとされています。
- 安全を確保した床で、はいはいや伝い歩きをたっぷりさせる
- 押し車や、しっかりした家具など、つかまれるものを用意する
- 靴は、歩けるようになってから。室内は素足のほうが足の感覚を育てやすい
2. 手先を使う力
親指と人差し指でつまむ、物を容器に入れて出す、積み木を持ち上げるなど、指先の動きが器用になります。
- 小さなおもちゃの出し入れ遊び(空き箱と、口に入らない大きさの物)
- 積み木を1個、2個と重ねてみる
- 太めのクレヨンでなぐり書きをする
3. 指差しで気持ちを伝える力
「あれ見て」「あれ取って」と指を差して伝える指差しは、言葉が出る前の大切なコミュニケーションです。1歳半健診でも、指差しの有無を確認する自治体が多くあります。
- 子どもが指を差したら、同じものを見て「ワンワンだね」と言葉にして返す
- 絵本で「わんわんはどれ?」と聞き、指差しで答えてもらう
4. 言葉を理解し、話し始める力
話す言葉より先に、「理解する言葉」が増えていきます。「おいで」「ちょうだい」などの簡単な言葉に反応するようになります。厚生労働省の調査では、1歳半ごろには9割前後の子どもが、意味のある単語を1つ以上話すとされています。「ママ」「ブーブー」「バイバイ」など、片言でも意味があれば単語に数えます。
- 日常の動作を短い言葉で実況する(「お水飲もうね」「お靴はくよ」)
- 子どもの発した音をまねして返し、会話のキャッチボールを楽しむ
- 絵本は同じものを繰り返し読む
5. まねをする力
バイバイ、拍手、いただきます。大人の動作をまねする「模倣」は、学ぶ力の土台です。ここで身につけた「見てまねる」力が、のちの言葉や生活習慣につながります。
- 大人がゆっくり見せて、まねする時間を待つ
- 「パチパチしよう」「ばいばーい」など、簡単な動作の遊び歌を取り入れる
- まねできたらすぐに笑顔で喜ぶ
6. 物の使い方を理解する力
コップは飲む、ブラシは髪をとかす、電話は耳に当てる。物の使い方が分かり、おもちゃの電話を耳に当てるなど、簡単な見立て遊びが出てきます。米国CDCのマイルストーンでも、18か月ごろに身近な物の使い方が分かることが挙げられています。
- 本物に近い、安全なおもちゃ(電話、スプーン、ぬいぐるみのお世話セット)を用意する
- 「ぬいぐるみにごはんあげようか」と、簡単なごっこ遊びに誘う
7. 自分で食べようとする力
手づかみ食べは、目と手と口の協調を育てる大切な練習です。汚れるのが大変でも、成長のステップと捉えてみてください。
- 手づかみしやすい形(スティック状、小さめのおにぎり)にして出す
- スプーンやコップは、こぼしても気にせず、持たせて練習する
- 食卓にシートを敷くなど、片づけを楽にする工夫をする
8. 安心できる人との愛着を育てる力
人見知りや後追いが強くなるのは、特定の大人との愛着がしっかり育っているサインです。安心できる拠点があるからこそ、子どもは外の世界を探検できます。
- 抱っこやスキンシップをたっぷりして、泣いたらできるだけ応える
- 「見ているよ」「ここにいるよ」と、探検する子どもに声をかける
- 人見知りを無理に直そうとしない
9. 自分の意思を表す力
「イヤ」「これ」と、首を振ったり声を出したりして、自分の意思を伝えるようになります。これは、イヤイヤ期につながる自我の芽生えです。
- 「どっちがいい?」と、2つの選択肢から選ばせる
- 気持ちを言葉にして代弁する(「これがいいんだね」「まだ遊びたかったね」)
10. 好奇心と探索する力
触る、振る、たたく、落とす、口に入れる。1歳児は全身で世界を確かめています。困った行動に見えても、そのほとんどは学びの時間です。
- 触ってよい物を集めた「探検コーナー」を安全に作る
- 危ない物は手の届かない所へ置き、「ダメ」を減らす
- 同じ遊びを何度でも繰り返させる
気になったときの相談の目安
次のような様子が続く場合は、自己判断で抱え込まず、かかりつけの小児科、自治体の保健センター、1歳半健診などで相談してみてください。
- 1歳半を過ぎても、ひとりで歩く様子がまったくない
- 指差しをしない、呼びかけに反応が乏しい、目が合いにくい
- 意味のある言葉がまだ出ない
- 以前できていたことが、できなくなった
早めに相談することは、「様子見をやめる」ことではなく、「必要な支援につなげる」ことです。相談したからといって、何かの診断がつくわけではありません。
家庭で大切にしたいこと
10個の力を「教える」必要はありません。日常の中で、次のことを意識するだけで十分です。
- 一緒に遊び、子どもの興味に付き合う時間を毎日少しでもつくる
- 安全な環境を整え、「やってみたい」を止めすぎない
- できたことを一緒に喜ぶ
まとめ
1歳は、歩く、つかむ、指差す、まねる、食べる、伝えるといった力が、同時に育っていく時期です。全部を完璧に育てようとせず、目の前の子どもが今何に夢中になっているかを見つけて、そこに寄り添ってあげてください。
参考にした情報
本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療に代わるものではありません。心配なことがあるときは、医療機関や自治体の窓口にご相談ください。
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