非認知能力を育てる8つのレベル。年齢別に、必要なもの・準備・やること・身につく力
非認知能力(粘り強さ・自制心・協調性など)を、レベル1〜8まで一覧で解説。各段階の対象年齢の目安、必要なもの・準備、親子でできるやること、身につく力をまとめました。

非認知能力とは、テストの点数では測りにくい、粘り強さ、自制心、協調性、やる気などの力のことです。「うまくいかなくても、もう一度やってみる」「順番を待てる」「友だちと協力する」といった力は、毎日の遊びや生活の中で育ちます。ParentCoachの「非認知能力」では、この力を8つのレベルに分けて、気持ちに向き合うところから、振り返って成長するところまでを段階的に育てていきます。この記事では、レベルごとの対象年齢の目安、必要なものと準備、どんなことをすればよいか、そして身につく力を一覧で紹介します。
非認知能力は、どう育つ?
非認知能力は、教え込むものではなく、次のような経験の積み重ねで育っていきます。
- 気持ちを受け止めてもらう:安心できる関係が、挑戦する土台になります
- 小さな「できた」を重ねる:難しすぎず、簡単すぎない課題が自信を育てます
- 自分で選ぶ・決める:選んだ経験が、責任感とやる気につながります
- 失敗しても大丈夫と知る:うまくいかない経験を、次の挑戦の力にします
年齢はあくまで目安です
各レベルに示す年齢は、「未経験のお子さまに向いている時期」の目安で、これより早い・遅いからといって問題はありません。分かりやすいよう、1歳未満は月齢、1歳以上は0.5歳(半年)刻みの概算で表示しています。また、レベルは年齢に関係なく選べます。お子さまの興味に合うレベルから始めてみてください。
8つのレベル早見表
| レベル | テーマ | 対象年齢の目安 | 身につく中心の力 |
|---|---|---|---|
| 1 | 気持ちに向き合う | 1〜2.5歳 | あきらめない気持ち、気持ちを落ち着ける力 |
| 2 | 自分で考えて行動する | 2〜3.5歳 | 目標を持つ力、自信 |
| 3 | 気持ちを整える | 2.5〜4歳 | 待つ力、失敗・負けを受け止める力 |
| 4 | 集中して続ける | 3〜4.5歳 | 集中する力、習慣を続ける力 |
| 5 | 自分で決めてやり遂げる | 3.5〜5歳 | 自分で決める力、やり遂げる力 |
| 6 | 協力する | 4〜5.5歳 | 協力する力、役割に責任を持つ力 |
| 7 | 挑戦して工夫する | 4.5〜6歳 | 挑戦する力、工夫して解決する力 |
| 8 | 振り返って成長する | 5〜7歳 | 振り返る力、成長の実感 |
各レベルの必要なもの・準備 早見表
| レベル | 必要なもの | 事前の準備 |
|---|---|---|
| 1 | 積み木・型はめなど簡単なパズル、2つの選択肢(服・おやつ・絵本)、落ち着くためのお気に入りのぬいぐるみ | 失敗してもやり直せる、簡単な課題を用意しておく |
| 2 | 手順が分かる絵カード、シールカレンダー、簡単なパズル、ごほうびのシール | 「今日はここまで」と決める、小さな目標を用意する |
| 3 | 砂時計・タイマー、すごろく・簡単なカードゲーム、気持ちのカード | 勝ち負けのある遊びを、あらかじめ1つ用意しておく |
| 4 | タイマー、パズル・ぬりえ・工作(集中しやすい遊び)、練習カレンダー | 集中できる静かな場所をつくり、テレビを消す |
| 5 | 手順カード、選ぶ場面(おやつ・服・遊び)、1日の計画表 | 自分で選べる場面を、1日に1つ決めておく |
| 6 | 協力して作れる遊び(大きなパズル・積み木)、役割カード、ボードゲーム | 遊びの前に、役割やルールを確認する時間をとる |
| 7 | やや難しいパズル・工作キット、けん玉・こま・縄跳びなど、練習が必要な遊び、挑戦の記録表 | 少し背伸びすれば届く課題を選ぶ |
| 8 | 振り返りノート、成長の記録(写真・シール)、目標カード | 1週間に1回、振り返りの時間を決めておく |
レベル1:気持ちに向き合う(1〜2.5歳ごろ)
自分の気持ちに気づき、うまくいかないときも試そうとする力を育てる段階です。
取り組むスキル:諦めずに取り組む/気持ちを落ち着ける/新しいことを試す/小さな選択をする
必要なもの・準備
- 積み木・型はめなど簡単なパズル
- 2つの選択肢(服・おやつ・絵本)
- 落ち着くためのお気に入りのぬいぐるみ
- 準備:失敗してもやり直せる、簡単な課題を用意しておく
やること
- うまくいかないとき、「もう一回やってみようか」と声をかける
- 泣いたときは、抱っこや深呼吸で落ち着くのを手伝う
- 新しい遊びや食べ物を、1つ試してみる
- 2つのうち1つを、自分で選んでもらう
身につく力:あきらめない気持ち、気持ちを落ち着ける力、新しいことに挑戦する力、自分で選ぶ力
レベル2:自分で考えて行動する(2〜3.5歳ごろ)
自分で目標を持ち、やり遂げようとする力を育てる段階です。
取り組むスキル:目標を持って取り組む/自信を持って挑戦する/助けを求める/褒められて自信につなげる
必要なもの・準備
- 手順が分かる絵カード
- シールカレンダー
- 簡単なパズル
- ごほうびのシール
- 準備:「今日はここまで」と決める、小さな目標を用意する
やること
- 「今日はこのパズルを完成させよう」と、小さな目標を持つ
- できたことを、具体的に褒める(「最後まで自分でやったね」)
- 難しいときに、「手伝って」と言う練習をする
- 褒められたら、「ありがとう」と受け取る
身につく力:目標を持つ力、自信、助けを求める力、褒められて自信につなげる力
レベル3:気持ちを整える(2.5〜4歳ごろ)
待つ・受け止めるなど、自分をコントロールする段階です。
取り組むスキル:待つ/失敗を受け止める/負けを受け止める/気持ちを切り替える
必要なもの・準備
- 砂時計・タイマー
- すごろく・簡単なカードゲーム
- 気持ちのカード
- 準備:勝ち負けのある遊びを、あらかじめ1つ用意しておく
やること
- 砂時計を使って、順番を待つ練習をする
- 負けて悔しいときは、「悔しかったね」と気持ちを受け止める
- 失敗したときの「切り替えの言葉」(「次がんばる」)を決めておく
- 気持ちを切り替えるスイッチ(深呼吸や合図)を作る
身につく力:待つ力、失敗・負けを受け止める力、気持ちを切り替える力
レベル4:集中して続ける(3〜4.5歳ごろ)
集中して取り組み、続ける力を育てる段階です。

取り組むスキル:集中して取り組む/習慣を続ける/気が散っても戻る/練習を習慣にする
必要なもの・準備
- タイマー
- パズル・ぬりえ・工作(集中しやすい遊び)
- 練習カレンダー
- 準備:集中できる静かな場所をつくり、テレビを消す
やること
- 5分だけ、一つのことに集中して取り組む
- 毎日決まった時間に、決まったこと(朝の準備など)を続ける
- 気が散ったときは、「続きをやろう」と声をかけて戻す
- 練習した日に、カレンダーへシールを貼る
身につく力:集中する力、習慣を続ける力、気が散っても戻る力
レベル5:自分で決めてやり遂げる(3.5〜5歳ごろ)
自分で選び、最後までやり遂げる段階です。
取り組むスキル:自分で決める/最後までやり遂げる/やることの順番を考える/手順を考えて進める
必要なもの・準備
- 手順カード
- 選ぶ場面(おやつ・服・遊び)
- 1日の計画表
- 準備:自分で選べる場面を、1日に1つ決めておく
やること
- 自分で決めたことを、最後までやり遂げる
- やることの順番を、カードで並べる
- 料理や工作の手順を、一緒に考えて進める
身につく力:自分で決める力、やり遂げる力、段取りを考える力
レベル6:協力する(4〜5.5歳ごろ)
人と協力して取り組む力を育てる段階です。
取り組むスキル:協力して取り組む/役割を果たす/ルールを守って公平に遊ぶ/グループで責任を果たす
必要なもの・準備
- 協力して作れる遊び(大きなパズル・積み木)
- 役割カード
- ボードゲーム
- 準備:遊びの前に、役割やルールを確認する時間をとる
やること
- みんなで一つの作品を作る
- 役割(配る係・片づける係)を決めて、最後までやり遂げる
- ルールを守って、公平に遊ぶ
- 終わったあと、みんなで振り返る
身につく力:協力する力、役割に責任を持つ力、ルールを守る力、公平に遊ぶ力
レベル7:挑戦して工夫する(4.5〜6歳ごろ)
難しいことにも工夫して挑戦する段階です。
取り組むスキル:新しいことに挑戦する/工夫して解決する/自分でやる気を出す/何度もやり直す
必要なもの・準備
- やや難しいパズル・工作キット
- けん玉・こま・縄跳びなど、練習が必要な遊び
- 挑戦の記録表
- 準備:少し背伸びすれば届く課題を選ぶ
やること
- 新しい遊びやスキルに挑戦する
- うまくいかないとき、別のやり方を試す
- 「よし、やってみよう」と、自分に声をかけてやる気を出す
- できるまで、何度もやり直す
身につく力:挑戦する力、工夫して解決する力、自分でやる気を出す力、粘り強さ
レベル8:振り返って成長する(5〜7歳ごろ)
自分を振り返り、次に生かす段階です。
取り組むスキル:自分を振り返る/成長を実感する/目標を見直す/次の挑戦を決める
必要なもの・準備
- 振り返りノート
- 成長の記録(写真・シール)
- 目標カード
- 準備:1週間に1回、振り返りの時間を決めておく
やること
- 1日や1週間を、「よかったこと」で振り返る
- 以前できなかったことが、できるようになった記録を見返す
- 目標を、必要に応じて見直す
- 次に挑戦したいことを、自分で決める
身につく力:振り返る力、成長の実感、目標を見直す力、次の挑戦を決める力
関わり方のコツ
どのレベルでも共通する、親の関わり方のポイントは次のとおりです。
- 結果より、過程を褒める:「100点だね」より、「最後までがんばったね」
- 比べない:他の子ではなく、「昨日の自分」との違いに目を向けます
- 失敗しても、責めない:失敗は、次の挑戦の材料です
ParentCoachでは、各スキルの達成の様子に合わせて、次に取り組むアクティビティを提案します。
安全に楽しむための注意点
- 無理強いしない:がんばりを求めすぎると、かえって意欲がなくなることがあります。疲れているときは休みましょう
- 強い不安や落ち込みが続くとき:日常生活に支障があるほど続く場合は、かかりつけの小児科や自治体の相談窓口に相談してください
まとめ
非認知能力は、特別な教材ではなく、毎日の遊びと声かけの中で育ちます。小さな「できた」を一緒に喜び、失敗しても大丈夫と伝え続けてください。お子さまの年齢に合ったレベルから、無理なく始められます。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。お子さまの年齢や様子に合わせ、必ず大人が付き添って取り組んでください。