食育を進める8つのレベル。年齢別に、必要なもの・準備・やること・身につく力
食育を、レベル1〜8まで一覧で解説。新しい味に慣れる・自分で食べるところから、好き嫌い・料理・旬や世界の食文化・食品ロスまで、対象年齢の目安、必要なもの・準備、やること、身につく力をまとめました。

「野菜を食べてくれない」「遊び食べが多い」「料理を手伝いたがるけれど、どこまで任せていいか分からない」。食育は、栄養をとることだけでなく、食べる楽しさや、食べ物への興味、感謝の気持ちを育てる取り組みです。ParentCoachの「食育」では、この力を8つのレベルに分けて、初めての味に慣れるところから、好き嫌いへの向き合い方、料理、食の文化、自分の食生活を考えるところまでを段階的に育てていきます。この記事では、レベルごとの対象年齢の目安、必要なものと準備、どんなことをすればよいか、そして身につく力を一覧で紹介します。
食育は、どう進める?
食育は、毎日の食事そのものが学びの場です。特別なことをしなくても、次のような関わりが土台になります。
- 一緒に食べる:家族が楽しそうに食べる姿が、いちばんの手本になる
- 体験する:触る・におう・育てる・作るなど、五感を使った体験が興味につながる
- 無理強いしない:食べさせようと急ぐより、「また今度」で気長に待つ
- できたことを認める:「一口食べられたね」と、挑戦したことを具体的に伝える
年齢はあくまで目安です
各レベルに示す年齢は、「未経験のお子さまに向いている時期」の目安で、これより早い・遅いからといって問題はありません。分かりやすいよう、1歳未満は月齢、1歳以上は0.5歳(半年)刻みの概算で表示しています。また、レベルは年齢に関係なく選べます。お子さまの興味に合うレベルから始めてみてください。
8つのレベル早見表
| レベル | テーマ | 対象年齢の目安 | 身につく中心の力 |
|---|---|---|---|
| 1 | 食べることに興味を持つ | 6か月〜2歳 | 新しい味に慣れる、自分で食べる |
| 2 | 食べ物に親しむ | 1〜3歳 | 食べ物の名前、食事のあいさつ |
| 3 | 味や食感を感じる | 2〜3.5歳 | 味の感じ分け、食感を言葉にする力 |
| 4 | 食べ物のふるさとを知る | 2.5〜4歳 | 食べ物ができるまでの理解、料理の手伝い |
| 5 | 好き嫌いと栄養に向き合う | 3〜4.5歳 | 苦手なものへの挑戦、三色食品群 |
| 6 | 料理に挑戦する | 4〜5.5歳 | 道具を安全に使う力、レシピを見て作る力 |
| 7 | 食の文化を知る | 4.5〜6歳 | 旬の食べ物、世界の食文化への関心 |
| 8 | 自分の食生活を考える | 5〜7歳 | 食品ロスを減らす力、自分で選ぶ力 |
各レベルの必要なもの・準備 早見表
| レベル | 必要なもの | 事前の準備 |
|---|---|---|
| 1 | 子ども用のスプーン・フォーク、食事用のエプロン・テーブルマット、安定して座れる椅子、手づかみしやすい小さく切った食材 | 食材は、かたさや大きさを月齢に合わせ、窒息しにくい形にしておく |
| 2 | 食べ物の絵本・絵カード、食事のあいさつの絵カード、旬の野菜や果物(実物) | 食卓では、テレビやおもちゃを遠ざけ、食べることに集中できる環境にする |
| 3 | 味の違いが分かる食材(甘い・すっぱい・苦い・しょっぱいなど)、食感の違う食べ物(カリカリ・ふわふわ・もちもち)、味や食感を表す言葉のカード | 味の比べっこは、少量ずつ、安全な食材だけで用意する |
| 4 | 家庭菜園やプランター・種や苗、野菜や果物が育つ絵本・図鑑、エプロン・小さなボウル | アレルギーの有無を確認し、触れてよい食材と、口にしてよい食材を分けておく |
| 5 | 赤・黄・緑の三色食品群の表、食べ物カード、苦手な食材(少量)、お皿・マット | 苦手な食材は、においや見た目に慣れるところから、小さな一歩で始める |
| 6 | 子ども用のエプロン・三角巾、バターナイフ・子ども用包丁、手順の絵付きレシピカード、踏み台 | 台所の安全ルール(火・刃物・熱い物)を決め、大人がそばにつく時間を確保する |
| 7 | 季節の食べ物の絵本・図鑑、旬の食材カレンダー、世界の料理の写真・地図、箸・フォーク・スプーンなどの食具 | 季節の行事食や、旬の食材を、食卓に取り入れる日を決めておく |
| 8 | 食べ残しの記録表、1週間の食事の記録シート、冷蔵庫の食材リスト、買い物リスト | 食べきれる量を、子どもが自分で決められるよう、盛りつけを選べるようにしておく |
レベル1:食べることに興味を持つ(6か月〜2歳ごろ)
初めての味や、自分で食べる楽しさに触れ、食への興味を育てる段階です。

取り組むスキル:新しい味に慣れる/自分で食べようとする
必要なもの・準備
- 子ども用のスプーン・フォーク
- 食事用のエプロン・テーブルマット
- 安定して座れる椅子
- 手づかみしやすい小さく切った食材
- 準備:食材は、かたさや大きさを月齢に合わせ、窒息しにくい形にしておく
やること
- 初めての食べ物は、においをかいだり、触ったりするところから始める
- 一口食べてみようとしたら、「食べてみたね」と認める
- 手づかみやスプーンで、自分から食べようとする気持ちを大切にする
- こぼしても叱らず、自分で食べ進められるのを待つ
身につく力:新しい味に慣れる力、自分で食べる力、食べることへの興味
レベル2:食べ物に親しむ(1〜3歳ごろ)
食べ物の名前や、食事のあいさつなど、食にまつわる言葉や習慣に親しむ段階です。
取り組むスキル:食べ物の名前を知る/食事のあいさつをする
必要なもの・準備
- 食べ物の絵本・絵カード
- 食事のあいさつの絵カード
- 旬の野菜や果物(実物)
- 準備:食卓では、テレビやおもちゃを遠ざけ、食べることに集中できる環境にする
やること
- 絵本や実物を見ながら、食べ物を指さして名前を言う
- 食べ物の色や形に気づき、「まるいね」「赤いね」と声をかける
- 食べる前に、手を合わせる、「いただきます」をまねする
- 食べたあとも「ごちそうさま」を言い、自分から言える日を待つ
身につく力:食べ物の名前、食べ物の色・形への気づき、食事のあいさつ
レベル3:味や食感を感じる(2〜3.5歳ごろ)
味覚や食感の違いに気づき、言葉で表現し始める段階です。
取り組むスキル:味の違いを感じ分ける/食感を楽しむ
必要なもの・準備
- 味の違いが分かる食材(甘い・すっぱい・苦い・しょっぱいなど)
- 食感の違う食べ物(カリカリ・ふわふわ・もちもち)
- 味や食感を表す言葉のカード
- 準備:味の比べっこは、少量ずつ、安全な食材だけで用意する
やること
- 甘い・すっぱいなどの味に気づき、「すっぱいね」と一緒に言葉にする
- 苦い・辛いなど、少し難しい味にも気づく
- やわらかい・かたい、カリカリ・ふわふわなど、食感の違いを楽しむ
- 初めての味や食感も、自分の言葉で表現してみる
身につく力:味の感じ分け、食感を楽しむ力、味や食感を言葉にする力
レベル4:食べ物のふるさとを知る(2.5〜4歳ごろ)
食べ物がどこから来るのかを知り、調理にも触れる段階です。

取り組むスキル:食べ物ができるまでを知る/料理を手伝う
必要なもの・準備
- 家庭菜園やプランター・種や苗
- 野菜や果物が育つ絵本・図鑑
- エプロン・小さなボウル
- 準備:アレルギーの有無を確認し、触れてよい食材と、口にしてよい食材を分けておく
やること
- 野菜が畑でできること、魚が海にいることなど、食べ物の由来を知る
- プランターで野菜を育て、土・水・太陽が必要なことに気づく
- 食材に触れる、盛りつけを手伝う
- 混ぜる、ちぎるなどの簡単な工程を、決まった手順で手伝う
身につく力:食べ物ができるまでの理解、育てる体験、料理の手伝い
レベル5:好き嫌いと栄養に向き合う(3〜4.5歳ごろ)
苦手な食べ物にも挑戦し、栄養バランスの基礎を知る段階です。

取り組むスキル:苦手なものに挑戦する/三色食品群を知る
必要なもの・準備
- 赤・黄・緑の三色食品群の表
- 食べ物カード
- 苦手な食材(少量)
- お皿・マット
- 準備:苦手な食材は、においや見た目に慣れるところから、小さな一歩で始める
やること
- 苦手な食材のにおいや見た目に、少しずつ慣れる
- 一口だけ挑戦できたら、結果にかかわらず「やってみたね」と認める
- 時間をおいて、同じ苦手な食材を繰り返し試す
- 食べ物を赤・黄・緑のグループに分けて、バランスよく食べる大切さを知る
身につく力:苦手なものへ挑戦する力、三色食品群の理解、バランスよく食べる意識
レベル6:料理に挑戦する(4〜5.5歳ごろ)
道具を安全に使い、レシピを見ながら料理に挑戦する段階です。

取り組むスキル:道具を安全に使う/レシピを見て作る
必要なもの・準備
- 子ども用のエプロン・三角巾
- バターナイフ・子ども用包丁
- 手順の絵付きレシピカード
- 踏み台
- 準備:台所の安全ルール(火・刃物・熱い物)を決め、大人がそばにつく時間を確保する
やること
- エプロンをつけて、調理に参加する
- 道具の置き方や渡し方、使い終わったら片づけるルールを守る
- バターナイフなど安全な道具から始め、慣れたら大人と一緒に包丁を使う
- 手順の絵を見ながら、材料をそろえ、簡単な料理を作る
身につく力:道具を安全に使う力、レシピを読む力、段取りよく作る力
レベル7:食の文化を知る(4.5〜6歳ごろ)
旬の食べ物や世界の食文化に触れ、視野を広げる段階です。

取り組むスキル:旬の食べ物を知る/世界の食文化に触れる
必要なもの・準備
- 季節の食べ物の絵本・図鑑
- 旬の食材カレンダー
- 世界の料理の写真・地図
- 箸・フォーク・スプーンなどの食具
- 準備:季節の行事食や、旬の食材を、食卓に取り入れる日を決めておく
やること
- 季節ごとの食べ物に気づき、絵本や図鑑で調べる
- 旬の食べ物の名前を言い、家族に紹介する
- 世界の料理の写真を見て、興味を持つ
- 箸・フォークなど、国ごとの食べ方の違いを知り、話してみる
身につく力:旬の食べ物の知識、食文化への関心、違いを知って話す力
レベル8:自分の食生活を考える(5〜7歳ごろ)
食品ロスや栄養バランスを意識し、自分の食生活を考える段階です。
取り組むスキル:食品ロスを減らす/自分の食生活を考える
必要なもの・準備
- 食べ残しの記録表
- 1週間の食事の記録シート
- 冷蔵庫の食材リスト
- 買い物リスト
- 準備:食べきれる量を、子どもが自分で決められるよう、盛りつけを選べるようにしておく
やること
- 食べ残しに気づき、食べきったら自分から報告する
- 食べきれる量を考え、自分で「これくらい」と伝える
- 残った食材を、どう使えば無駄にならないか考える
- 好き嫌いや、好きな物ばかりでないかを振り返り、1週間の食事を話す
身につく力:食品ロスを減らす力、バランスを意識して選ぶ力、自分の食生活を整える意識
関わり方のコツ
どのレベルでも共通する、親の関わり方のポイントは次のとおりです。
- 食卓を楽しい場にする:叱ったり、急かしたりせず、「おいしいね」と一緒に味わいます
- 無理に食べさせない:食べなかった日があっても、数日から1週間のバランスで考えます
- 体験から始める:育てる・触る・作るなど、食べる前の体験が、興味を広げます
- 家族が手本になる:大人が好き嫌いを言わず、おいしそうに食べる姿が、子どもに伝わります
ParentCoachでは、各スキルの達成の様子に合わせて、次に取り組むアクティビティを提案します。
安全に楽しむための注意点
- 窒息・誤えん:3歳ごろまでは、ナッツ類・あめ・ミニトマト・ぶどうなどを丸のまま与えないでください。食べるときは座って、落ち着いて食べるようにしましょう
- 食物アレルギー:初めての食材は、少量から、平日の日中など、受診しやすい時間帯に試してください。アレルギーが心配なときは、事前に小児科に相談しましょう
- 包丁・火・熱い物:料理に挑戦するときは、必ず大人が付き添い、子ども用の道具を選んでください
- 衛生:調理の前は手を洗い、生ものや傷みやすい食材の扱いには、特に注意してください
まとめ
食育は、毎日の食事を通して、ゆっくり育っていきます。食べない日があっても焦らず、体験や楽しい食卓を積み重ねながら、お子さまのペースで進めていきましょう。年齢に合ったレベルから、無理なく始められます。
参考にした情報
本記事は一般的な情報提供を目的としています。お子さまの年齢や様子に合わせ、必ず大人が付き添って取り組んでください。