情緒・感情教育:気持ちを育てる8つのレベル。年齢別に、必要なもの・準備・やること・身につく力
情緒・感情教育を、レベル1〜8まで一覧で解説。自分や相手の気持ちに気づく段階から、怒りや悲しみへの対処、自己肯定感、気持ちの振り返りまで、対象年齢の目安、必要なもの・準備、やること、身につく力をまとめました。

「すぐかんしゃくを起こす」「気持ちをうまく言えない」。気持ちとの付き合い方は、少しずつ身についていきます。ParentCoachの「情緒・感情教育」では、この力を8つのレベルに分けて、自分や相手の気持ちに気づくところから、怒りや悲しみへの対処、自己肯定感、気持ちの振り返りまでを段階的に育てていきます。この記事では、レベルごとの対象年齢の目安、必要なものと準備、どんなことをすればよいか、そして身につく力を一覧で紹介します。
気持ちの力は、どう育つ?
気持ちの力は、次のような経験の積み重ねで育ちます。感情に、良い・悪いはありません。
- 気づく:今の気持ちに気づき、言葉にする
- 受け止めてもらう:どんな気持ちも、まず受け止めてもらう
- 落ち着ける:気持ちが大きく揺れたとき、落ち着く方法を知る
- 相手を思う:相手にも気持ちがあると知る
年齢はあくまで目安です
各レベルに示す年齢は、「未経験のお子さまに向いている時期」の目安で、これより早い・遅いからといって問題はありません。分かりやすいよう、1歳未満は月齢、1歳以上は0.5歳(半年)刻みの概算で表示しています。また、レベルは年齢に関係なく選べます。お子さまの興味に合うレベルから始めてみてください。
8つのレベル早見表
| レベル | テーマ | 対象年齢の目安 | 身につく中心の力 |
|---|---|---|---|
| 1 | 気持ちに気づく | 1〜3歳 | 自分の気持ちに気づく力、相手の気持ちを考える力 |
| 2 | 気持ちと付き合う | 2〜4歳 | 気持ちを落ち着ける力、気持ちを伝える力 |
| 3 | 気持ちを言葉にする | 2.5〜4.5歳 | 気持ちの言葉、落ち着く方法 |
| 4 | 気持ちの理由と優しさ | 3〜5歳 | 気持ちの理由を考える力、優しさを行動にする力 |
| 5 | 相手の立場と怒り | 3.5〜5.5歳 | 相手の立場で考える力、怒りへの対処 |
| 6 | 悲しみと感謝 | 4〜6歳 | 悲しみと向き合う力、感謝を伝える力 |
| 7 | 自分を大切にする | 4.5〜6.5歳 | 自分のよさに気づく力、人を励ます力 |
| 8 | 気持ちを振り返る | 5〜7.5歳 | 気持ちを記録する力、立ち直る力 |
各レベルの必要なもの・準備 早見表
| レベル | 必要なもの | 事前の準備 |
|---|---|---|
| 1 | 表情の絵本・顔カード、鏡、ぬいぐるみ | 気持ちを表す絵本を、いくつか用意しておく |
| 2 | 感情カード(顔のイラスト)、落ち着けるコーナー(クッションなど)、深呼吸を助けるおもちゃ(風船・シャボン玉) | 家の中に、落ち着ける小さなコーナーをつくる |
| 3 | 気持ちの言葉カード・絵本、落ち着くためのグッズ、お話(絵本) | 気持ちの言葉(うれしい・悲しい・くやしい・びっくり)を、カードにして見える場所に置く |
| 4 | 気持ちの理由が分かる絵本、感情日記のノート、お手紙カード | 寝る前などに、1日の気持ちを話す時間を決める |
| 5 | 気持ちを扱った絵本・ごっこ遊びの人形、怒りをクールダウンする方法のカード、ぬいぐるみ | 怒ったときの落ち着き方(深呼吸・数える)を、事前に決めておく |
| 6 | 感謝カード、悲しい気持ちを扱った絵本、緊張する場面(発表・初めての場所)の練習 | 緊張しやすい場面は、事前に練習しておく |
| 7 | ほめカード、鏡、前向きな言葉のリスト | 「今日のよかったこと」を話す時間を、毎日つくる |
| 8 | 気持ちの記録ノート・カレンダー、気持ちを表すシール、夢や希望を書くカード | 毎日、気持ちを記録する時間(寝る前など)を決める |
レベル1:気持ちに気づく(1〜3歳ごろ)
自分や相手の気持ちに気づき、言葉にする段階です。
取り組むスキル:自分の気持ちに気づく/相手の気持ちを考える/安心して甘える/表情で気持ちを伝える
必要なもの・準備
- 表情の絵本・顔カード
- 鏡
- ぬいぐるみ
- 準備:気持ちを表す絵本を、いくつか用意しておく
やること
- 「うれしいね」「かなしいね」と、気持ちを言葉にして代弁する
- ぬいぐるみを使って、「痛かったね」と相手の気持ちを考える
- 甘えたいときは、しっかり受け止める
- 表情で気持ちを伝える遊びをする
身につく力:自分の気持ちに気づく力、相手の気持ちを考える力、安心して甘える力、表情で伝える力
レベル2:気持ちと付き合う(2〜4歳ごろ)
自分の気持ちをコントロールし、うまく表現する段階です。
取り組むスキル:気持ちを落ち着ける/気持ちを伝える/体の感覚に気づく/イライラを伝える
必要なもの・準備
- 感情カード(顔のイラスト)
- 落ち着けるコーナー(クッションなど)
- 深呼吸を助けるおもちゃ(風船・シャボン玉)
- 準備:家の中に、落ち着ける小さなコーナーをつくる
やること
- 気持ちが高ぶったとき、抱っこや深呼吸で落ち着く
- 「イヤだ」と、言葉で伝える
- 「ドキドキする」など、体の感覚に気づく
- イライラしたことを、言葉で伝える
身につく力:気持ちを落ち着ける力、気持ちを伝える力、体の感覚に気づく力、イライラを伝える力
レベル3:気持ちを言葉にする(2.5〜4.5歳ごろ)
気持ちを表す言葉を増やし、落ち着く方法を知る段階です。
取り組むスキル:気持ちの言葉を知る/落ち着く方法を知る/自分を励ます/お話の気持ちを考える
必要なもの・準備
- 気持ちの言葉カード・絵本
- 落ち着くためのグッズ
- お話(絵本)
- 準備:気持ちの言葉(うれしい・悲しい・くやしい・びっくり)を、カードにして見える場所に置く
やること
- 気持ちを表す言葉を、少しずつ増やす
- 深呼吸や数を数えるなど、落ち着く方法を知る
- 「大丈夫、できる」と、自分を励ます言葉を言う
- 絵本の主人公の気持ちを、想像して話す
身につく力:気持ちの言葉、落ち着く方法、自分を励ます力、お話の気持ちを考える力
レベル4:気持ちの理由と優しさ(3〜5歳ごろ)
気持ちの理由を考え、思いやりを行動にする段階です。
取り組むスキル:気持ちの理由を考える/優しさを行動にする/嬉しさを分かち合う/許す気持ちを持つ
必要なもの・準備
- 気持ちの理由が分かる絵本
- 感情日記のノート
- お手紙カード
- 準備:寝る前などに、1日の気持ちを話す時間を決める
やること
- 「どうしてそう思ったの?」と、気持ちの理由を考える
- 優しさを、行動にする(手伝う・声をかける)
- うれしい気持ちを、家族で分かち合う
- 許す気持ちを持つ
身につく力:気持ちの理由を考える力、優しさを行動にする力、うれしさを分かち合う力、許す気持ち
レベル5:相手の立場と怒り(3.5〜5.5歳ごろ)
相手の立場で考え、怒りを扱う段階です。

取り組むスキル:相手の立場で考える/怒りに対処する/うらやましい気持ちに対処する/けんかのとき相手を思いやる
必要なもの・準備
- 気持ちを扱った絵本・ごっこ遊びの人形
- 怒りをクールダウンする方法のカード
- ぬいぐるみ
- 準備:怒ったときの落ち着き方(深呼吸・数える)を、事前に決めておく
やること
- 相手の立場になって、考える
- 怒ったとき、深呼吸や数を数えるなどで対処する
- うらやましい気持ちを、言葉にする
- けんかのときに、相手の気持ちを思いやる
身につく力:相手の立場で考える力、怒りへの対処、うらやましい気持ちへの対処、思いやり
レベル6:悲しみと感謝(4〜6歳ごろ)
悲しい気持ちに向き合い、感謝を伝える段階です。
取り組むスキル:悲しい気持ちと向き合う/感謝を伝える/緊張や不安に対処する/がっかりを受け止める
必要なもの・準備
- 感謝カード
- 悲しい気持ちを扱った絵本
- 緊張する場面(発表・初めての場所)の練習
- 準備:緊張しやすい場面は、事前に練習しておく
やること
- 悲しい気持ちを、否定せずに、言葉にして向き合う
- 「ありがとう」を、言葉やカードで伝える
- 緊張や不安を、深呼吸や声かけで和らげる
- 思い通りにならなかったときの、がっかりを受け止める
身につく力:悲しみと向き合う力、感謝を伝える力、緊張・不安への対処、がっかりを受け止める力
レベル7:自分を大切にする(4.5〜6.5歳ごろ)
自己肯定感を育て、人を励ます段階です。
取り組むスキル:自分のよさに気づく/人を励ます/気持ちを大切にする/前向きな言葉を自分にかける
必要なもの・準備
- ほめカード
- 鏡
- 前向きな言葉のリスト
- 準備:「今日のよかったこと」を話す時間を、毎日つくる
やること
- 自分のよいところを、探して言う
- 友だちや家族を、励ます
- 自分の気持ちを、大切にする
- 「きっとできる」「まあいいか」など、前向きな言葉を自分にかける
身につく力:自分のよさに気づく力、人を励ます力、気持ちを大切にする力、前向きな言葉
レベル8:気持ちを振り返る(5〜7.5歳ごろ)
気持ちを記録し、乗り越える力を育てる段階です。

取り組むスキル:気持ちを記録する/立ち直る力/夢や希望を持つ/気づきと落ち着きを育てる
必要なもの・準備
- 気持ちの記録ノート・カレンダー
- 気持ちを表すシール
- 夢や希望を書くカード
- 準備:毎日、気持ちを記録する時間(寝る前など)を決める
やること
- その日の気持ちを、絵や言葉、シールで記録する
- つらかったことから、立ち直った経験を振り返る
- 夢や希望を持ち、語る
- 深呼吸などで、気持ちを落ち着けて、気づきを言葉にする
身につく力:気持ちを記録する力、立ち直る力、夢や希望を持つ力、気づきと落ち着き
関わり方のコツ
どのレベルでも共通する、親の関わり方のポイントは次のとおりです。
- 気持ちは否定しない:「泣かないの」より、「悲しかったね」と受け止めます
- 行動には線を引く:気持ちは受け止め、叩く・物を投げるなどの行動は、ルールとして伝えます
- 大人自身も、気持ちを言葉にする:「ママは今、ちょっと疲れているの」と、手本を見せます
ParentCoachでは、各スキルの達成の様子に合わせて、次に取り組むアクティビティを提案します。
安全に楽しむための注意点
- 強い不安や落ち込みが長く続くとき:日常生活に支障があるほど続く場合は、かかりつけの小児科や、自治体の相談窓口に相談してください
- 無理に感情を引き出さない:話したくないときは、「話したくなったら聞くよ」と待ちましょう
まとめ
気持ちとの付き合い方は、練習して少しずつ上手になります。どんな気持ちも、まず受け止めてもらえる経験が、お子さまの心の土台になります。年齢に合ったレベルから、無理なく始められます。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。お子さまの年齢や様子に合わせ、必ず大人が付き添って取り組んでください。